目次
Bar YUKI’s Night Museum
今宵、あなたを斉藤由貴ワールドへご招待『家族の食卓』
今回は小説仕立てでの案内となります。大好きなお酒の話題と斉藤由貴さんの曲紹介を併せて記事にしていますので、しばらくお付き合いのほどよろしくお願いします。
マスターはMr-gigio
プロローグ
ガランゴロン
重厚な木のドアに取り付けられたカウベル2つが、ドアの開閉と共に客の来訪を告げる
「う~寒い寒い、マスターここのところ寒くなりましたね~」
常連のヒロタが薄手のコートをまとい、背中を丸めながら冷気と共に店内に飛び込んできて開口一番発した言葉だった。
そのままヒロタはお気に入りの席に滑り込む。
お気に入りの席は、L時になったカウンターに向かって一番右奥のひと目が届かないところ、所狭しと並んでいるウイスキーボトルによって他の客から見えにくい席だ。ちょっとした個室とも言えるこの席の右手にある棚には、マスターが集めたコレクションが置いているスペースがある。ヒロタここに座るのは、マスターのコレクションをお目当てにしているからでもある。
ヒロタはそのコレクションをまじまじと見ながら、マスターと視線を合わせること無く
「マスター寒い日におすすめのお酒ってある?」
と、尋ねた。常連のヒロタが言うことはお見通しのマスターは、既にあるお酒を作り始めていた。
ホットウイスキー
「12月に入っても温かい日が続いていたけど、やっと冬らしい季節になって来たね。こんな寒い日には、ホットウイスキーがおすすめだよ飲んでみて。」
ウイスキーをお湯で割ったもので、寒い日には身体を温めるのにピッタリのお酒。マスターのおすすめは甘い香りのするウイスキーで
バランタイン12年がコスパ共に最高!ウイスキー1対お湯3で割るのがちょうどいい塩梅ですよ。お湯の温度は80度で焦らず少しずつお湯をいれなじませるように混ぜるとウイスキーの甘い香りが残ります。
慌てて一気にお湯を入れると、ウイスキーとなじむ前に香りが飛んでしまって風味が台無しになるから注意ね。
バランタイン12年のお湯割りは、甘い香りで初心者でも飲みやすく暖まります。
バニラを思わせる甘い香りに心癒やされながら、あわせるおつまみにはやはりチョコレート。お湯によってお口の中でとろーと溶けて格別のおいしさですよ。
「ホットウイスキーか~、イメージはアルコールがキツくて飲みにくい印象なんだよな~!!」
懐疑的に思っていたヒロタでしたが、マスターのススメによりとりあえずホットウイスキーを一口含む。すると、顔色が一変、目をカッと見開き
「って、マスター!!これは最高だね。ホットウイスキーがこんなにもおいしいとは知らなかったよ。アルコールがキツいイメージだったけどそんなことは一切無く、甘い香りが鼻をくすぐって本当に心地いい香りだね。」
「あ~暖まる」
グラスを包み込むように両手で持ち、目をつむってホットウイスキーの味と香りを楽しむヒロタ。本当においしいホットウイスキーを知らなかったヒロタは、長年バーテンを経験した腕の良いマスターの作るホットウイスキーは格別で、作り手によりお酒の味が変化することを改めて知ったのでした。
「それは良かった。甘い香りのホットウイスキーにはビターチョコレートのハーモニー♪」
とマスターが差し出した四角いガラス皿には、無造作に割って大小様々な大きさにしたビターチョコレートが並んいた。
「小さいチョコと大きいチョコでは、口の中に入れてウイスキーを含んだときの印象が全く違うから、試してみて」
マスターが勧めたとおりに口に含むヒロタ
!!「バニラの香りとチョコの甘さ、そしてビターな苦み三位一体であう~」
ヒロタはホットウイスキーの虜となってしまい、次から次に大きさの違うチョコを口に入れホットウイスキーを含みながら、マスターのコレクションを眺めているのでした。
「じゃあ、そろそろ曲紹介の時間にしますか!」
ヒロタは精巧に作られた森高千里のフィギアのスカート内をのぞき込もうとしていたが、不意を突かれたマスターのかけ声に〈ビクッ〉としながらも手に持っていたフィギアを慌てながらもそおっと棚に戻し
「おお待ってました。」
と笑顔で手を叩きながらもちょっと顔が引きつっているのをマスターは見逃しませんでした。
「なんか、顔が引きつってますけど・・・」
するとヒロタはバツが悪そうな顔をしながらも
「ああ、大丈夫です、大丈夫ですコホン、で、今日の曲は何ですのマスター」
斉藤由貴「家族の食卓」
マスターは低く落ち着いた渋い声を響かせ
「寒い冬にピッタリの曲をセレクトしました。斉藤由貴さんのクリスタルボイスと心温まる描写が見事な作品を心からお聞き下さい。」
「斉藤由貴~家族の食卓です。どうぞ」
♪♪イントロ~家族の食卓に~♪♪
1987年4月21日発売の斉藤由貴4枚目のアルバム『風夢』に収録された名曲。LP版のB面の5曲目つまり全体で最後に収録されていたアルバムのトリを務めた曲で、作詞は斉藤由貴自身でした。『斉藤さんちのお客さま』のエンディングにも使われている。
ありきたりの幸せを、その家族が抱く幸せを、聞いた人それぞれが思い描く幸せな家庭そんなイメージをすうっとイメージとして引き出すことが出来る歌詞は特筆ものです。
あと、斉藤由貴さんのクリスタルボイスが合ってこその曲であることも付け加えておきます。
ああ、1987年って私は中学生でした。少ないお小遣いを握りしめて町にあるレコードショップへ買いに行ったのを覚えています。今ではAmazonミュージック等で手軽に聞くことが出来るが、当時はLPレコード。
大きなジャケットからLPを取り出すとビニール袋にレコードが入っており、そおっと取り出してクリーナーでキレイにしてからプレーヤーにセット。慎重に針を置いてA面からスタート。音楽を聴くにもいちいち儀式が必要な古き良き時代でした。
さて、歌詞を少し見てみましょう
家族の食卓にゆげ立ててよりそう みんなで決めた週末のメニュー
クリスタルボイスのささやくような優しい声が、リアルにその情景の想像力を湧き立てます。窓越しに見る、ああ、この家族の食事は温かいシチューかな?お鍋かな?湯気で窓ガラスが曇ってきた。温かい家庭に早く帰りたい。
斉藤由貴のクリスタルボイスによる名曲をしみじみ聴いて感動するお客。Barの窓は感動の熱により内側から曇って
曲が終わっても余韻に浸っているお客・・しばしの間静まり返る店内
「あっ、家族が待っているから帰ろ!今日はお鍋だった~」
あるお客が口を開くと一斉に店内のお客さんは会計を済まし、それぞれの家族が待つ温かいお家へ・・・。
エピローグ
あれよあれよと店から人がいなくなり、そして静まりかえる店内・・・
「この曲をかけるとみんな帰っちゃうんだよな~俺も帰りたくなった。店を閉めて帰るか~」
と、客のいなくなった店内で店じまいをするマスターなのでした。
- 本日のおすすめ曲『家族の食卓』
- 使用プレーヤー『SonyハイレゾプレーヤーA45』
- 使用イヤフォン『JVC HA-FD01』通称”クリスタルボイス専用イヤフォン”
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